倒見の良さの一例だ。この日の「三五朗会」に欠席した末藤は、卒業前、半年続く試験で利紀と急速に親しくなった。「その日の試験が終われば仲間で答え合わせをする。それが終わると必ずスタンドパ!に行き、それからラーメンを食べて屋台で再び飲んだ。未明の久留米の町を親しくなった庖主と屋台を引いて帰りました」末藤の記憶の一つは利紀が大型バイク「陸王」に乗っていたことだ。自ら「スピード狂」と名乗っている。「スピード違反で捕まえられたが、陸王はこのスピードでは捕まえることはできない。そんなことも知らないのか。こちらがパトカーを追い越して説教したことがあります」スピードの感覚。利紀はバイクだけでなく、人生もアクセルを回し続けた。久留米大学時代の同級生の末藤策一(2018年、熊本市にて)54
元のページ ../index.html#60