【絆】土屋利紀の肖像
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月自には非常に元気になってきております。生科学的検査では治療後5ヶ月目の検査の結果を見るとTコリンエステラ}ゼに軽度の低下を認めるもPコリンエステラ}ゼは正常となり、また、GOT、血球無機燐も正常値を示した。酸性フオスファターゼは異常値を示しているが、治療前より正常化している。尿パラニトロフェノーノレ値む低下してきている。以上より今回の症例では、他の薬剤は使用せず、パドリンのみ投薬治療にて有効な治療効果を認めた。また、Tコリンセステラ}ゼおよびPコリンエステラーゼ、の異常を認めたととより、やはり慢性の有機リンによる障害であったと考える。中止した。以後視カ低下はなかった。視野も視力の回復と一致して回復。約5ヶ月後には、ほぽ正常の視野となっております。|スライドお顕いします。|この眼底の写真は投薬2ヶ月自のもので、乳頭の軽度の自律神経症状では1ヶ月目頃より次第に良くなり、6ヶ我々隣業医にとって種々の機器の設備がなく、近くに大学がない地方においては有機リンの慢性中毒症の診断は非常につけにくいと考えていたが、現在、私は石川氏らの示された、46年度の厚生省研究班による有機リン中毒疲の診断基準を基にスクリーニングを行い、それらの腸役者にパムおよびパドリンを使用して約85%に有効例を認めている。今回の症例もその一例である。最後に宮崎という非常に公害の少ないと考えられている地方において、今回健康なハウス栽培従事者の中に多数の有機ヲン農薬によるものと考えられる中毒者を認め、また、その地区の小児に佐久地区などに認められたような症状を呈しパドリンにて著効を示した慢性有機リンの中毒症と考えられる億者を認めたことは、向後さらに注意を促し、地域住民の農薬に対する認識を新たにさせ、十分予防体制を整えさせるように努力したいと考える。179 第七掌資料編所見充血を認めている。今回の症例で眼底の所見は初診時のと、視力が回復した6ヶ月後の所見とほとんど変化はありませんでした。スライドありがとうございました。-6-

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