【絆】土屋利紀の肖像
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現在、代替治療、民間治療として注目されているのが「ホメオパシl」だ。ドイツ人医師が十八世紀に始めた治療法である。これに詳しい金丸は次のように説明した。「患者さんの状態や病気の症状によって、シュガーボールとも呼ばれるレメデイ(薬)を与えて治すものだ。レメデイは植物や鉱物などの自然素材を水に限りなく薄めたもので、何度も振りながら薄めていく作業の中で、波動として水の中にエネルギーが浸透し、それが自然治癒力を高める」「けいめい記念病院」にはホメオパシlで治療を行う医師「ホメオパス」を置いている。金丸は言う。「自分では実践したことはなく、それを実際にやっている勇気に敬意を持っています」利紀は「ホメオパシ1」の信奉者ではない。ちゃんと釘を刺している。「自分の治療法が唯一絶対のものであると思いたがる傾向がある。それぞれの治療法にはまだまだ未知の解決されなければならない問題がある。探究と創造の心を忘れてはならない」「ホメオパシl」の大きなキーワードは水、と言える。人(成人男性)の約六十パーセントは水でできている。利紀は「人間よ、水になれ」と記している。〈あらゆる生き物に生命を与えている〉〈常に己の進路を求めて進む(山河から海へ)〉〈障碍があっても克服する勇気を持っている(河の流れを変えずに進む)〉〈和合性を持っている(コップに注げばコップの型になる)〉〈音楽・声を聞きわける力を持っている(波動)〉〈動力となり、人間の生活に無限の奉仕をしている〉第六章福祉編167

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