義でもある。その疑義、反発、挑戦から利紀は日本統合医療学会宮崎支部を立ち上げ、実践の場として「けいめい記念病院」で西洋医学オンリーの治療ではなく、統合医療を試みている。統合という言葉は誤解を生みやすい。わかりやすく善一守ずんば「融合医療」である。西洋医学とそれ以外の代替医療(漢方、断食、指圧、ヨガ、鍋灸など)を融合させることだ。利紀は「中(国)医学と西洋医学の違い」という短い論文を残している。その中で「病気というものは、身体の自然治癒力が見せる防御手段の現れであるから病気のそれ自体は、身体を健康状態に復元させるための完全な努力である。その際に、医者たるものがとることのできる唯一の手段は、自然治癒力の反発や強化を助けることのみである」これを受ける形で利紀は記している。「現代西洋医学では頭痛も、下痢も、発熱などの症状もすべて悪い反応とみなし、その鎮圧を図る。これに対してヒポクラテスはそれらの自然治癒力の現れ、言い換えると、異常体を正常体に回復させるための必要な生理的努力と理解している」「医聖」と呼ばれるヒポクラテスの言葉を引用している。金丸吉昌166
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