【絆】土屋利紀の肖像
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介護と治療が一体となったケア体制の充実である。ただ、夢の実行にはリアルなお金の問題がセットになっている。きれいごとの「仁術」だけでなく、「算術」もなければ先に進めない。「建設費が予定より、一ときが慶明グループの危機でしたね」財務担当の一人はこう回想する。それまでのメインパンクは「けいめい記念病院」を造るための借り入れに難色を示した。いわゆる貸し渋りである。さまざまな要因があったと思うが、一つには事業費が予定より大きく膨らんだことだ。「先生(利紀)は銀行との付き合いが下手でした」友人の一人はこう話した。企業とメインパンクは長い付き合いの中で融通をきかせ合い、わがままを舌守える仲になる。メインパンクを変えることはあまりにもリスキ!な選択だ。この当時、地方銀行業界はそれまでの棲み分けから県境を超えたせめぎ合いにもなっていた。利紀たちはメインパンクを変え、最大の難局を・五倍に膨らみました。このサンフローラの庭。天気の良い日は植物介在療法を楽しむ入所者163 福祉編第六章

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