【絆】土屋利紀の肖像
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のスタッフ名が記されている。病院全体の取り組みだったことがわかる。その冊子によれば、調査対象者は一九八二年九月から翌年八月までの一年間に、宮崎中央眼科病院を受診し、視力低下を訴えた小、中学生は三千二百二十人。このうち心因性視覚障害と診断されたのは四十四人(男子十人、女子三十四人)だった。研究結果として不明十三人を除いて、次のように分類している。〈条件付け型H十四人〉視力が落ちたとして心理的なストレスを回避している。〈眼鏡願望型H十三人〉眼鏡をかけたいために視力障害を訴える。〈緊張型H三人〉視力検査のときに緊張しすぎる〈暗示型H一人〉ケガをした後、見えなくなる。利紀は新聞のインタビューに次のように答えている。「子どもたちは精神的な悩みや心の葛藤を十分に第五章学術編相川先生のカウンセリング139

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