ることの重要性を説いている。克博は都城大丸の副社長時代にこの言葉を焼き直した形で、わかりやすく従業員に説明している。「挨拶も朝礼も、まず頭を下げることから始まる。頭を低くし、いわゆる謙虚になるとさまざまなことが見えてくる。理屈抜きです」都城大丸はニO一一年(平成二十三)年に、閉居する。克博はそのとき、会長兼社長だった。「残務整理に一年半かかりました」克博は、利紀が多恵子と結婚する前に、患者として偶然に一度、会っていた。の医局時代だ。目の調子が悪く、地元眼科からの紹介状を持って訪れたのだ。診察した利紀の言葉を覚えている。「目のヒステリーです一まさに不思議な縁である。克博は都城大丸の栄光と挫折を身をもって体験した。その後、克博は慶明会の顧問になり、現在はグループの一つであ利紀の鹿児島大学旧宮崎グリーンホテル(1996年)108
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