【絆】土屋利紀の肖像
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及び細菌学講座」を受講している。特に細菌学は疫学(風土病)に属し、のちの研究に繋がる原点的なものだ。利紀は医局時代、当時、眼科のなかった鹿児島県の沖永良部島へ大学から派遣されて検診、調査している。この調査について、正式な報告書ではないが走り書きのようなメモが残っている。その一部を抜粋した。「・:夜盲症が多いのに気づきました。患者のほとんどに視力障碍がある。進行性のものと思われますが、この他にも停止性のものも相当の数がいるのではないかと思われます:・本島は集落内における結婚が多くあるため近親結婚による種々の先天性疾患を研究するためには家系図がはっきりしているため非常に興味あるデータが出るのではないか・:」この調査から疫学研究に興味を覚えた。姉の牧田和子の夫、牧田汎耕(外科医)から久留米大学の細菌学教授、中村昌弘を紹介された。沖田と事務職員たち(1970年頃)100

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